スポーツバイク 人気ブランドランキング どのブランドを選ぶべき?

目次

はじめに

今回の記事は、前回の記事で大反響のあった「【2020年度・最新版】スポーツバイク 人気ブランドランキング」の中から、見事、2020年、Googleにてもっとも検索されたスポーツバイクの人気ブランドランキングのトップ10のブランドについて、簡単な概要を書いていきたいと思います。どのブランドを選ぶか考えてる方は必見です。

どのブランドも、おそらくもう何千もの記事で紹介されているとは思いますが、ウィキペディアに載っている事を私なりに簡潔にまとめて、できるだけ短い文章で読者の皆様にお伝えできるよう書いていきます。それだけでは他のブログ記事と被ってしまう部分もあると思うので、各ブランドの日本での最近の近況や情勢などを、かなりマニアックな視点から伝えていけたらと思います。

キャンプ向きの自転車の情報については改めて少しづつ書いていきますので、興味がある方はまず、自転車という乗り物のブランドについて、まず理解を深めていただけたらと思います。

テーマは「キャンプ」×「バイシクル」です。

人気ブランドランキングの順位やスコアは上記の記事を参考にしてください。

1位 ジャイアント(英語表記:GIANT)

GIANT PROPEL

世界の自転車メーカーの中で一番の資金力を誇り、世界一の製造・販売台数を誇る台湾の自転車総合メーカーであるジャイアント。スポーツバイクを知らない人も聞いたことがあるかもしれませんが、5万円代で購入できるジャイアントの定番モデル「エスケープ」は日本においても、おそらく一番売れているクロスバイクです。

元々、台湾で養殖施設を営んでいたキング・リューが自然災害で壊滅的な被害を受け、自転車部品の製造を開始したのが始まりです。アメリカやヨーロッパの自転車メーカーが設計したフレームの製造や、完成車への組立て依頼を請け負い、下請け企業としてOEM生産を主力としていました。1980年代の不景気を受け、アメリカやヨーロッパメーカーからの受注量が大幅に減ったことで、自社ブランドの開発に着手します。そこで生まれたのがジャイアントのバイクです。1990年代には世界中の国々に代理店を展開し、販売チャンネルを広げます。2000年代に入ると、UCIワールドツアーに参戦するチームにも機材を供給し、世界のレースで結果を残したことで下請け企業としてのジャイアントから、世界のスポーツバイクメーカーへと一躍躍り出ました。

日本ではスポーツバイクがまだ今のように流行する前から、日本法人を設立していたこともあり、販売戦略として、大手量販店を中心に販売チャンネルを広げたことで、ブランディングに失敗し、ジャイアント=大衆車というイメージが先行してしまいました。しかし、ジャイアントは自転車の製造業として、自社ブランド以外で、今でも海外メーカーのOEM生産を続けていますし、世界で一番自転車を製造し、販売している会社でもあります。資金力も世界一ですが製造技術も世界トップレベルです。

最近はハイエンドモデルの取扱いが可能になるGPD(ジャイアントプレミアムディーラー)の新規募集も受け付けておらず、既存の取引先も年々、販売店も減らしている印象です。現在は、従来の大手量販店を中心にした販売手法から、直営店やフランチャイズ経営のジャイアントストアの展開を急速に拡大しており、日本でのマーケティング手法を新たに模索している状況です。このような取り組みによるブランディングに成功すれば、今後、ジャイアントブランドは日本でもトップに君臨し続ける可能性はあります。今後のジャイアントブランドの動向に注目です。

ジャイアントは日本でも、他ブランドの追随を許さない程の豊富なラインナップを展開しており、女性専用ブランド「Liv(リブ)」ホイールブランド「CADEX(カデックス)」も展開しています。自転車に関わる全てのパーツもジャイアントやリブで販売しており、アフターパーツの供給も世界で一番安定しています。

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2位 スペシャライズド(英語表記:SPECIALIZED)

SPECIALIZED TARMAC SL7

Innovate or Die(革新を!さもなくば死を!)」という過激な社是が有名なアメリカのカリフォルニア州を拠点とするスペシャライズド。創業者のマイク・シンヤード氏がワーゲンバスを売ったお金でヨーロッパ旅行に出かけ、そこでチネリの創業者に米国への貿易を打診し、イタリアの自転車部品の輸入販売を始めたのをきっかけに創業したブランド。その際のイタリアの希少なパーツをスペシャルな(特別な)パーツと名付け、自身も特別なブランドであり続けるという意味から付けられたブランド名がスペシャライズドです。

世界で初めてマウンテンバイク「スタンプジャンパー」の大量生産に成功し、世界的な販売台数を記録したことで、一気にアメリカを代表するブランドに成長しました。今ではアメリカの3大ブランドの1つとして、ヨーロッパが主流だった自転車ブランドに新たな風を吹き込み、レースシーンにおいても圧倒的な強さを誇ります。自転車メーカーとして初めて本社敷地内にウィントンネルという風洞実験施設を35億円かけて建設し、開発、テスト、選手からのフィードバック、改善というPDCAサイクルを24時間繰り返せる環境にある世界唯一の自転車メーカーになります。

スペシャライズドのオフィスでは昼休憩の1時間の間に社員みんなでサイクリングに行くランチライドという習慣があり、これは全世界のスペシャライズド子会社で慣例の行事となっています。全世界の代理店を集めたプロダクト会議もまずサイクリングをすることろから始めるなど、自転車好きが24時間、四六時中、自転車のことを考え、自転車を開発した成果はコロナ禍におけるグランツールをはじめとした2020年の数々の世界大会のレースでスプリント、個人総合と、男女ともに圧倒的な力を見せつけたシーズンとなりました。

またその際に使用されたバイクが2020年7月に世界同時リリースされたNEW TARMAC SL7です。およそ3年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたNEW TARMAC SL7は、それまでの軽量モデル、TARMAC(ターマック)と、世界のエアロロードの空力デザインの真髄となった伝説の名車、VENGE(ヴェンジ)の長所を合わせ持ち、軽量化とエアロという相容れない2つの特性を融合したオールラウンドエアロロードに生まれ変わり、他ブランドのフラグシップモデルの追随を許さず、スペシャライズド=世界一という称号を世界に知らしめたバイクとなりました。

バイクに限らず、ヘルメットやシューズなどのバイクギアの開発も幅広く手がけ、その中でもフラッグシップモデルにしか与えられない称号「S-WORKS」はプロチームに機材を供給するワークスチームの名前が冠として使われており、そのロゴは見る人全てを虜にする魅力を持っています。巷で言われる「憧れのS-WORKS」、限られたバイクやギアにしか与えられない称号をまとったとき、必ずあなたに多くの視線が集まること間違いなしです。

今回のこの人気ランキングで紹介するブランドの中で1番早く完売するのがスペシャライズドです。ちなみに上述したNEW TARMAC SL7は発表から1週間で完成車完売、2週間でフレーム完売となりました。欲しいと思ったときは迷いなく「買い」です。上述したハイエンドブランドである「S-WORKS」の他にホイールブランドである「ロバール」フィッティング、サイジングの「RETUL」ブランドを展開しています。

3位 トレック(英語表記:TREK)

TREK Madone

スペシャライズドと並び、アメリカ3大ブランドの1つであるトレック。スペシャライズドが創業した1年後の1975年、アメリカのウィスコンシン州で設立した総合自転車メーカーであるトレック。1990年代後半から、ツールドフランスをはじめとした世界のロードレースに参戦し、スポンサーとして支援していたアームストロング選手が前人未到のツールドフランス7連覇を達成したこともあって、トレックのバイクは世界的に脅威の販売台数を記録し、世界一のブランドに成長しました。2000年代前半、にわかにスポーツバイクブームが日本に到来すると、アームストロングの活躍も相まって、日本でもトレックのバイクが一躍有名になり、今では日本で下火のカナダブランド「ルイガノ」とともに、日本のスポーツバイクブームを牽引しました。

2012年アームストロング選手が選手時代、組織的にドーピングをしていたことが公になり、今までの勝利を剥奪、自転車業界からの永久追放とされてから、スポンサーとして二人三脚で成長してきたトレックも少なからず影響を受け、一時は人気が低迷したものの、フレームの生涯保証や、他ブランドにないフラッグシップモデルのエアロロード「マドン」の斬新なデザイン、ハイエンドモデルに与えられる「TREK」のどでかいロゴなど、今でも日本のスポーツバイクブランドで、アメリカを代表するブランド力と知名度があります。

レースシーンにおいては昨今、目覚ましい活躍はないものの、日本でもトレックコンセプトストア(トレックのみを扱う専門店)の展開にどのメーカーよりも1番早く着手し、技術力が伴わない大手ママチャリチェーン店や、ブランド価値を下げる可能性があるスポーツ用品店などには、一切トレックブランドを供給しないなど、徹底したブランディングにより、アメリカブランドとしては、今でも販売台数では日本で1番のブランドになります。

在庫の安定した供給や、子供車から、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなど、様々な自転車のジャンルを販売しており、パーツに関してはボントレガーというブランドでホイールや各ギアを販売しています。スペシャライズドに比べ、限定モデルなどのリリースは少ないものの、プロジェクトワンというフレームの色やロゴの色など、自分の好きなカラーリングでオーダーし、世界で自分だけのバイクを作るサービスを唯一展開しています。

カラーのセミオーダーカスタムは、多くのブランドが手掛けていますが、ロゴやフレームのカラーなど、選べる自由度はトレックのプロジェクトワンの方が多いです。また日本のオーダーメイドロードバイクである「パナソニックオーダーシステム」では、フレームのカラーはもちろんのこと、ロゴのフォントデザインやカラーまでも選べるため、本当のプロジェクトワンは日本ブランドのパナソニックかもしれません。パーツブランドとして「ボントレガー」を傘下に持っています。

4位 ビアンキ(英語表記:Bianchi)

Bianchi OLTRE XR4

世界最古の自転車メーカーであるイタリアのビアンキ。ミラノのニローネ通り(Via Nirone)で創業したため、今でもVia Nironeというロードバイクの車種が存在します。ビアンキの特徴的なエメラルドグリーンのようなカラーは「チェレステ」と呼ばれ、世界中のサイクリストで知らない人はいません。ビアンキ=チェレステと言われるほど、ここまでブランドのコンセプトカラーが有名なのも珍しいです。

当時の自転車職人が毎日、イタリアの空を見ながら作業しており、日々のイタリアの空の色をフレームに塗っていたのがチェレステカラーの始まりと言われています。(他にも諸説あり)今では艶有りのチェレステや、艶消しのマット調のチェレステ、昨今のカーボン塗装技術を駆使したオイルスリック調のチェレステカラー「サマータイム」など、今でもチェレステを中心としたカラーリングを展開しています。黒ベースやその他の色がベースの車体でもビアンキのバイクには必ずどこかにチェレステカラーが差し色として入っております。

ビアンキといえば、昨今ではサイクルベースあさひや、スポーツオーソリティのようなママチャリチェーン店でも一部のモデルが販売されたりしており、日本ではお洒落なファッション系の自転車という認識が高いように思えます。しかし、ビアンキのラインナップには、レパルトコルサと呼ばれるレースグレードがあり、ハイエンドモデルに搭載されるカウンターヴェイルという技術は、地面からの衝撃を抑え、ライダーの負担を軽減し、速さを追求します。

日本でファッションとしてのビアンキの知名度が高くなってきたこともあり、最近では知らない人も多いですが、ビアンキは今でも世界のグランツールの第一線に機材を供給し、区間優勝やクラシックのワンデーレースなどを制覇する、世界を代表するピュアレーシングブランドになります。昨年はツールドフランスの総合優勝にもあと一歩で手が届くところまでいったブランドになります。キッズバイク、ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイク、イーバイク(2021年4月現在日本では未発売)と数多くのジャンルの自転車を販売し、イタリアのみならず世界を代表する自転車総合メーカーになります。

ビアンキは例年、予約をしても入荷が大幅(半年とか平気で遅延する)に遅れたり、NEWモデル発表から数か月でほとんどのモデルが完売になるほどの人気が2010年からずっと続いてきており、2019年ごろにようやく安定した供給が出来るようになった矢先、今回のコロナ禍において、需要が供給を大幅に上回り、今もまた入荷が半年から1年ほど遅れている模様です。ビアンキのバイクをご購入の方は、気長に待つことを前提に早めに予約をしておきましょう。

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5位 キャノンデール(英語表記:Cannondale)

Cannondale SistemSix

アメリカ3大ブランドの1つ「キャノンデール」は、前述した他の2つのアメリカンブランドより早い、1971年にアメリカのコネチカット州の駅名から付けられ、創業したブランドになります。台湾での製造が主流になりつつあった1970年代から1980年代にかけて、子供載せの自転車製造から始まった会社は、サスペンション付きのマウンテンバイクの大量生産に成功し、メイドインUSAを売りに本国のアメリカで業績を伸ばします。

また創業前から自転車業界に技術革新と流通改革を行うことを目標にしていた創業者であるジョー・モンゴメリーは、アルミ素材に可能性を感じていたこともあり、アルミでのフレーム製造、そして中間卸売業者を排除するという新しい製造技術と商流の変革をもたらします。メーカーから販売店に直接自転車を卸すことで、コストダウンを図り、良質の製品を安くユーザーに届けるという、今では日本でも当たり前の商流を世界で初めて実施したのもキャノンデールでした。カーボンキラーとして有名になったCAADシリーズは、そんな創業者のアルミ素材に賭ける思いから生まれたバイクです。

1990年代に過去最高益を更新し、キャノンデールの地位を確固たるものにするも、2003年にモーターサイクル事業への参入で経営危機に陥り、事実上の倒産。投資会社による経営再建が行われ、事実上、キャノンデールという創業当時の会社はなくなり、ブランド名のキャノンデールだけが残る形となります。2010年代に入り、世界選手権自転車競技会の個人ロード・エリート男子クラスで2015年から前人未踏の3連覇を果たした現ボーラハンスグローエ(SPECIALIZED)所属ペーター・サガンが、まだ若かりし頃の2014年までに乗っていたバイクがキャノンデールで、この頃のキャノンデールは世界でもここ日本でも、首位を争うほどの人気があり、見事、キャノンデールというブランドが世界的にも復活を成し遂げます。

エントリーモデルでは手の届きやすい、カーボンキラーのCAADシリーズを初めSYSTEM SIX、SUPERSIX、TOPSTONE LEFTYなど、次々と斬新なバイクを生み出していきますが、2018年日本のマーケットでは、ロードバイクの需要が頭打ちとなり、在庫処分のためのキャノンデールの安売りが全国の大手量販店やスポーツバイクチェーン店などで行われます。新車が半額から70%OFFでキャノンデールのバイクが大量に安売りされたことで、キャノンデールは半額で買えるという印象がユーザーに浸透してしまい、ブランド力の低下を招いてしまいます。またアルペングループに販路を拡大したことで、プロショップの反感を買ってしまい、ハイエンドブランドの販売チャンネルの頼みの綱であるプロショップ離れが進み、ブランディングの失敗が浮き彫りになっていきます。

2021年現在ではコロナ禍の影響により自転車の需要が爆発的に拡大したことで、キャノンデールも品切れが続いていますが、これを機にブランディングの練り直しが、キャノンデールジャパンにとって急務になることは言うまでもありません。

キャノンデールの神髄ともいえるアルミフレームのCAADシリーズ。カーボンキラーとして名を馳せたCAAD10、CAAD12はアルミフレームの完成形と言われたほど人気があり、カーボンをメインに乗る人もセカンドバイクとして手に入れたほどでした。CAAD13になり、トップチューブからシートステーまでの流れるような一本線がなくなったことで賛否両論ありますが、アルミフレームではやはり他ブランドの追随を許さないほど現在でも人気があります。

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6位 キャニオン(英語表記:CANYON)

CANYON Aeroad CFR

1985年にアーノルド兄弟がドイツで創業、当初は自転車パーツの販売を行っており1990年代後半には、他ブランドに先駆けてインターネットを介したダイレクトセールスを行います。自転車メーカーとして設立したのは2002年で、スポーツバイク業界では比較的若い新参メーカーでもあります。2000年代初頭に、軽量バイクや今では主流のディスクブレーキシステムを搭載したバイクをいち早く開発し、2006年にUCIプロツアーに認可されたことで、徐々にレースに参戦し知名度をあげていきます。

2014年に登場したAeroadはツールドフランスのステージ優勝から、数々のクラシックレースでチームとキャニオンに勝利をささげ、キャニオンを代表するエアロロードバイクとなりました。キャニオンのメインバイクとなる使命を背負ったAeroadは、元F1のエンジニアと共に第2世代のAeroadの開発に4年もの歳月をかけるなど、一切の妥協を許さない設計で、世界中のファンが待ち望む中、2020年に遂に6年ぶりとなる次期モデル「Aeroad SLR」がデビューしました。第二世代「Aeroad SLR」は世界だけではなく、日本でも大きな話題となりGoogleキーワードプランナーでも2020年9月から一気に検索数が伸びています。

キャニオンは前回の記事でも書きましたが、代理店制度を持たない販売システムを構築しています。通常、海外メーカーは、各国に輸入代理店もしくは現地法人を持っています。そこから、販売店つまり自転車屋さんに卸売し、販売店が組立、整備、安全性の点検をしてお客様に渡すという流れです。しかし、キャニオンは代理店を持たず、ドイツから直接お客様へ自転車を発送する販売システムをとっています。これは冒頭にも書きましたが、キャニオンの創業当時からインターネットを介したダイレクトセールスを行っていたことも影響していると思います。

キャニオンのバイクを購入するとドイツから直接、箱に入った状態でユーザーのもとへバイクが送られくるため、まずバイクを組み立てるところから始まります。また代理店や販売店を通さないということは、プロショップから見ればアフターメンテナンスの面倒を見る必要もありません。昨今のディスクブレーキ化に伴い、オイルブリーディングなどスポーツバイクのメンテナンスが高度化する中、インターネットを介して購入したスポーツバイクのアフターメンテナンスを地元のプロショップが見てくれるかと言ったら、おそらくほとんどのプロショップが見てくれません。そのため、自身でメンテナンスが出来ない方はキャニオンの購入は諦めた方がいいと思います。

どうしても欲しい場合は、事前に地元のプロショップに相談に行って、例えばウェアやシューズ、その他のアクセサリーなどを購入することを条件に、アフターメンテナンスをお願いするなどして、購入前に対応していただける近所のプロショップを探してみるのがいいでしょう。

  • 通常の商流     = 【海外メーカー】→【輸入代理店】→【販売店(自転車屋さん)】→【お客様】
  • キャニオンの商流 = 【キャニオン】 →【お客様】

7位 ルック(英語表記:LOOK)

LOOK 795 BLADE RS

元々はスキー用品の製造を手掛けていた会社ですが、1984年、スキー板とスキーブーツを繋ぐビンディング技術を応用し、自転車業界で初めてペダルとシューズを繋ぐ、ビンディングペダルを開発します。足とペダルを物理的に繋ぐことで、ペダリング時のパワーロスをなくし、効率の良いペダリングを実現しました。ルックはこのビンディングペダルで、ツールドフランス総合優勝をサポートし、自転車のパーツメーカーとして、一躍有名になります。

その後、カーボンフレームの開発に着手し、2000年にはツールドフランスで3年連続の山岳賞という偉業を成し遂げ、自転車メーカーとして確固たる地位を築いたルックは、タイムと並んで、フランスを代表するブランドへと成長します。トラックレース用のL96フレームではロンドンオリンピックで13個のメダルを獲得するなど、フレームの成形技術は世界トップであることを証明しました。

ハイエンドカーボンのモデルしかないにも関わらず、日本では弱虫ペダルの人気キャラクター、真波くんが乗っていることもあり、2010年代に一躍人気のブランドになりました。漫画でもヒルクライムが得意な真波くんのバイクに抜擢されているため、やはり2000年にツールドフランスの山岳賞を3連覇した印象が強く、LOOK=ヒルクライムのイメージは先行していると思います。最新のエアロロードバイク795ブレードを初め、ヒルクライム向きの785エンデューロ向けの765と、乗り手によって選べるバイクの要所は押さえており、「LOOK」というロゴだけでハイエンドバイクとわかるのも、乗り手にとっては嬉しい限りです。

ルックのフレーム生産拠点は、タイムと同じく、メイドインフランスに拘ってましたが、現在は一部のモデルを除いて、生産拠点をチュニジアに移しており、生産性のチェック体制などを強化し、品質は維持したままコストを抑え、前モデルとほとんど変わらない価格帯にて日本のユーザーにも提供しています。LOOKもピナレロと同じく商圏エリアを重視するマーケティングを行っていますので、値崩れがしにくく、また輸入される数も限られていることから、欲しいと思ったときは早めに購入しないと、一年待ちは普通にあるブランドです。

キングオブヒルクライムと言われたLOOKのバイク。今ではカーボン造形の進化により、エアロロードでも山岳を獲れる時代になってはいるものの、ヒルクライマーなら、出来るだけ軽量化に拘りたいのも事実です。2021年のLOOKモデルを見ても、日本だけではなく本国モデルも含めて、リムブレーキモデルはなく、全てディスクロードとなっていることに衝撃を受けました。軽量化を一番必要とするLOOKがリムブレーキモデルを用意しなくなったということは、いよいよディスブレーキにパラダイムシフトしたと言っていいと思います。

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8位 ピナレロ(英語表記:PINARELLO)

PINARELLO DOGMA F12

洗練された美しい曲線のエアロ形状に、唯一無二のデザインである左右非対称フレーム、波打つオンダフォークという斬新な最新の技術を取り入れながらも、イタリアンデザインの伝統を現代も変わらずに継承するイタリアの名門ブランド「ピナレロ。近年のグランツールにおいて、ここ10年間でピナレロが総合優勝として表彰台の真ん中に立たなかった年を数える方が早いと言うぐらいに、2010年に設立したイネオス・グレナディアス(旧チーム・スカイ)を常勝軍団へと導いたピナレロ。

2021年現在はペダルバイクではロードバイクのみの開発に注力し、ピナレロのフラッグシップモデルであるドグマF12から、受け継がれたレーシングスピリットは、セカンドグレードのプリンス、7年ぶりに復活したパリ、新たにグラベルロードの最高峰として登場したグラベル+と「キングオブロードバイク」の名に相応しい速さと美しさを純粋に追求するレーシングブランドになります。

開発過程による特徴は、現在、多くのメーカーがスーパーコンピューターにて流体力学の観点から空力特性や軽量化、剛性などを考えながらフレームを設計するのに対し、ピナレロはデザイナーがフレームをデッサンする所から始まります。デザイナーが描いたフレームデザインを実現すべく、開発陣はそのデザインで、いかに空力特性に優れていて、軽量化を達成し、剛性が高いフレームを設計できるかを昼夜、試行錯誤して新しいフレームの開発をすすめます。

デザイナーが設計したフレームを作るという昔なら当たり前だった手法は、コンピューターが発展した現代では珍しいかもしれません。それでもピナレロは、昔からの伝統を重んじて、これぞピナレロというデザインを今でも次々と生み出しています。イタリアンデザインの伝統を踏襲し、その中でも、グランツールで総合優勝を獲り続けることに、ピナレロが世界一のレーシングブランドであると同時にイタリアンデザインのアーティストであることを世界に誇示しています。

日本ではピナレロジャパンのマーケティングにて商圏エリアや人口に対しての取扱店舗の数などが、きちんと管理されており、ブランディングもうまくいっている印象です。そのため、ピナレロというブランドの人気がここまで長く継続しているのも納得できます。

真夜中の暗闇の中でも月の灯りだけで、遠くから見てピナレロとわかるバイクは、世界のどのメーカーを探してもピナレロ以外にないと思います。特にフラッグシップモデルであるドグマはサイクリスト憧れのキングオブロードバイクです。最速のファストエアロロードを味わってみたい方はぜひ、ピナレロを!

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9位 メリダ(英語表記:MERIDA)

MERIDA REACTO TEAM-E

ジャイアントマニュファクチャリングに次ぐ、台湾第2位の自転車メーカーであるメリダインダストリー。ジャイアントと同じく海外メーカーの製造、組立を請け負っておりOEM生産を中心に業績を拡大する中、自社ブランドであるMERIDA(メリダ)を展開します。マグネシウムフレームや、カーボン、アルミなど独自の技術で、安定した品質を製造し、ジャイアントに並ぶ、世界の製造工場となります。

自社ブランドの開発はドイツに拠点をおき、台湾はあくまで製造することに集約したことで、安定した物流と高度な品質を保つ世界の自転車工場となっています。アメリカのスペシャライズドが倒産の危機に陥った時はメリダインダストリーが資本援助を行い、それでも株式の過半数は取得しようとせず、スペシャライズドの独自の開発力、ブランド力を活かすための方策をとったことから、今でも、スペシャライズドの生産を請け負い、自社ブランドのメリダと合わせて、業績を拡大しております。

元々レースシーンにおいては、2000年代にマウンテンバイクのレースで世界を獲ったことから、ロードバイクよりマウンテンバイクで世界的に有名なブランドとなりました。その後、2012年に日本のプロチームの発足、2013年にはUCIのワールドツアーに参戦することが発表され、本格的にロードバイクのレースシーンに参入を果たします。鍛え抜かれた製造技術とマウンテンバイクで培ったノウハウで、今後、ロードバイクシーンにおいても世界での活躍が期待されています。

日本では、現役最速と言われる新城幸也選手が2016年、メリダがサポートするランプレ・メリダ(現バーレーン・マクラーレン)に所属し、メリダがスポンサーとなったことで、日本でも一気に知名度が上がり、一躍トップブランドの仲間入りを果たします。バイク自体はもともと製造メーカーであることから、確かな技術と自社ブランドの強みを活かしたコストパフォーマンスで、当時、人気のあったヨーロッパブランドや、アメリカブランドと同じコンポーネント(車でいうエンジン)の仕様であれば、ミドルグレードで10万ほど、ハイエンドグレードになると20万円以上も安くバイクを提供することで、シェアを広げています。

2021年モデルではF1のマクラーレンがスポンサーに加わったことで、マクラーレンカラーが発売され、またオールラウンドエアロロードであるリアクトも第四世代と進化し、今後、レースシーンでの活躍が見られれば、継続して人気もあがっていくと思われます。

今回のコロナ禍において、不景気に陥ったF1のレーシングチームであるマクラーレンは、1年でのUCIプロチームへのスポンサーを辞退すると発表しました。2021年モデルで発売されているバーレーンマクラーレンのチームカラー(オレンジ、レッド、ブラックに水色の差し色)のバイクは、1年限りでなくなります。店頭在庫に残っていたら、「買い」です。

10位 ファクター(英語表記:FACTOR)

FACTOR OSTRO VAM

2007年にレーシングカー、航空宇宙産業に関わるイギリスのエンジニアリング会社「bf1systems」から誕生したUCIワールドツアーに機材供給しているメーカーの中では一番若い新参ブランドです。2017年からUCIプロチームに機材を供給したことで、一躍有名になり、またもともとがレーシングカーや航空宇宙産業に関わる会社から派生したブランドであるため、その蓄積されたレーシング向けの開発や航空技術の応用は、自転車業界にも素早く対応でき、設立からわずか10年という短い月日で、世界の第一線に機材を供給しています。

ツールドフランスにも出場機会が増えたことで、2020年ごろから、日本でも徐々に知名度をあげてきましたが、日本のマーケットでは完成車(フレーム、タイヤ、ホイール、ハンドルなど自転車としてすぐに乗れる状態)での販売がなく、フレームセットのみの販売になります。フレームはバラでいちから組み立てる必要があるため、すべてのパーツを自分好みにカスタマイズは可能ですが、その分、それぞれのパーツは単品で購入するため、高くなります。

「なぜ、完成車はこんなに安いのか?」はまた改めて記事にするとして、完成車のラインナップがないというのは、日本のマーケットにとってはネックかなと思います。それでも人気ランキングで10位に入賞しているので、このブランドのポテンシャルは相当なものだと思います。ファクターの総輸入代理店のトライスポーツさんが、この記事を見て、来期から完成車での輸入を検討していただけたらいいのですが(笑)。どうしてもご購入を検討の方は、完成車での輸入を待つか高いお金を払ってバラから組み上げるか、考えてみたらいいともいます。完成車での輸入を待っていたら、購入できるのはいつになるかわかりませんけどね。

今流行りのキャンプもそうですが、自転車も2000年代から世界的に需要が高まり、色んなブランドが出ては消え、出ては消えの繰り返しでした。1990年代のスノーボード業界がそうであったように、海外ブランドが生まれては輸入され、いつのまにか消えていったブランドも多々あります。ファクターも新参ブランドということもあり、確かに淘汰されていく可能性はあります。しかし、確かな技術とレースでの経験の蓄積が、今後ブランドをより確立させていく可能性の高いブランドだと個人的には思っています。日本のマーケットに受け入れられるかは、輸入代理店の手腕なので、トライスポーツさんには今後、頑張ってほしいと思っています。

まとめ

今回は、前回、大好評だった「【2020年度・最新版】スポーツバイク 人気ブランドランキング」の記事から、人気ブランドランキング、トップ10に入賞した各ブランド(メーカー)の概要と、現在の日本のマーケットでの立ち位置のような角度から、それぞれ書かせていただきました。アクセス数をみると、前回のスポーツバイクの人気ブランドランキングは、ぐいぐいアクセス数が伸びていて、肝心のキャンプブログを大幅に振り切ってました(笑)。

それはそれで悲しい気持ちになりましたが、これからもキャンプのブログを中心に、たまに趣味のライド、バイシクルの記事も少しづつ書いていけたらと思っています。趣味といえど、ここまでマーケットを監視してたら、もはや職業に近いような気もしますけどね。この記事も、前回の記事もお友達とかで自転車の購入を検討している方がいたら、シェアしていただけるとありがたいです。

次のスポーツバイク、人気ブランドランキングは必然的に、来年2022年、年が明けてからになると思いますが、その前にどこかの段階で、人気ブランドランキングの集計方法を変えて、例えば部分一致も含めた中間集計数を出すなどで、スポーツバイク人気ブランドランキング「なう」みたいな企画も感がています。それまでぜひ、楽しみにしていただけたらと思います。

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