【完全レビュー】スノーピーク「グランドオフトン」は氷点下でも快適か?
「グランドオフトン」とGoogleで検索すれば「快適」「最高」「オールシーズンいける」「まるでお家級の寝心地」というド派手な名文句が並んだ記事ばかりが目立ちます。数多くのレビュー記事があり、低評価はほとんど見当たりません。良質の製品を世に送り出し、今では日本を代表するアウトドアブランドとなった「スノーピーク」のロングセラー寝袋(シュラフ)「グランドオフトン」を今回は完全レビューいたします。
グランドオフトンそのものについての詳細は以下の記事をご覧ください。
スノーピーカーであってもレビューは真実を!
一般的に中年と言われるような年齢になると、自身がビジネスとして重要視しているブランディングやビジョンみたいなものが、なんとなく定まってきたりするもの。キャンプを始めるにあたり、色んなブランドを探す中で、スノーピークという企業が今まで創り上げてきたもの、そしてこれから目指していくものを見た時に、自身のビジネスモデルと似通いリンクしていることに感銘を受けたことが全てのきっかけ。そこから初キャンプに向けて、未だキャンプに行った事がないにも関わらず、いつしかスノーピークだらけのギアを大人買いしてしまい、いつのまにかスノーピ―カーになっていく。
長くアウトドア関連のブログを書いている人気ブロガーの方の中には、企業案件や、アウトドア関連雑誌のコンサル依頼、アウトドア記事の監修や新商品の広告塔など色んな仕事が入ってきたりします。よってメーカーさんや販売店、メディアなどとの関係もいつしか深くなり、言いたいことも言えない反町状態の方もいるかもしれません。
そこで私はどっぷりスノーピ―カー沼にハマってしまった今でも、このブログを始めるにあたって、必ず読者の皆様にお約束すること。
それは真実を嘘偽りなく読者の皆様にお届けするということ。
その完全レビューの第一弾として、選ばれるべきブランドはやはり「スノーピーク」しかないでしょ!ということで、今回は寝袋といえど、侮るなかれ!シングルとダブルを各1つずつ購入したら合計14万円を超えていたというセレブ寝袋「グランドオフトン」を、キャンプ地、季節、気温、そして装備の説明をしながら、実際の体験をもとに、完全レビューいたします。
グランドオフトンのレイヤーセット(?)
初キャンプにあたり、キャンプを楽しむためには睡眠が一番大事とあらゆる記事で読んだので、寝具には妥協せずにスノーピークのフラッグシップモデルのシュラフを購入。ただ、芝生の地面にグランドオフトンを敷いて寝ればもちろん、グランドオフトンの本領は発揮されない。なので、スノーピークの製品を完全レビューするなら、スノーピークが推奨する純正のレイヤーセット(?)で寝ようと思い、今回、ランドロックのインナーテント内、グランドオフトンランドオフトンのレイヤーセットは以下のようにしました。
階層 | 商品名 |
---|---|
レイヤー5 | グランドオフトン |
レイヤー4 | キャンピングマット |
レイヤー3 | インナーマット |
レイヤー2 | インナーテント |
レイヤー1 | グランドシート |
レイヤー0 | 芝生 |
スノーピーク snow peak スリーピングギア 寝袋 グランドオフトン シングル1000 BD-050 価格:58,080円 |
スノーピーク シュラフ 寝袋 グランド オフトン ダブル 1600 (BD-051) snow peak 価格:84,480円 |
他社製が入っているのでとか、サイズが合わないシートが入っているのでというような言い訳が出来ないよう、芝生からグランドオフトンに辿り着くまでに関わるものは全てスノーピーク純正で揃えました。
レイヤーセット:レイヤ―(階層)毎に分けて表を造ったり、レイヤー(階層)毎に物事を説明することで、相手に伝わりやすくするために、私が勝手に作った造語。
レイヤーについては以下の記事も参照してみてください。
完全レビュー時のコンディション
レビューに当たって、一番重要な気温は寝る前と朝起きた時に、時間も含めてきちんと記録を取りました。家族4人とも体調は良かったので、レビュー時のコンディションとしては、いい条件が揃ったと思います。
寝る前の気温
初キャンプにしては予想以上の寒さで、寝る前の外気温、テント幕内気温は以下の通り。
朝方の気温
正直、初めてのキャンプデビューで、しかも九州で3月初旬で、ここまで寒くなるとは思ってもいませんでしたが、朝起きて温度を見たら、外気温、氷点下になっていました。初キャンプで、いきなり氷点下を経験するとは思いませんでした。(笑)
寝るときの服装
ボトムに、トップスはインナー、パーカー、アウターウェアの3枚で外にいるときと同じ格好で寝ています。嫁さん、子供たちも外で遊んでいたときと同じ格好で寝てます。詳しくは以下の記事を参照してください。
グランドオフトンは氷点下でも快適か?
前回の記事に書きましたが、我が家では「グランドオフトン シングル1000」と「グランドオフトン ダブル1600」を各ひとつずつ大人買いしてます。グランドオフトンダブルは、嫁さんと娘二人(5歳と3歳)、グランドオフトンシングルは私一人で寝てますので、それぞれの完全レビューを書いていきます。
グランドオフトン シングル1000は氷点下でも快適か?
正直、寒いです。
商品の仕様書には、「下限温度がー15度、快適温度がー8度」とありますが、実際は氷点下、マイナス0.5度でも朝方、足元が寒くなって目が覚めました。ただ寝ている間は、意外と快適に眠れていますが、グランドオフトンに入る前はマットの底冷えが酷くて、暖まるまでしばらく時間がかかります。私の場合、もともと寝つきはいい方で、かなり疲れていたのですぐに眠れましたが、それでも朝方は足元が寒くて何度か目が覚めました。
付属のマットと掛布団を繋ぐベルトも、足元や横から入ってくる冷気をシャットダウンしているとは思えません。
朝方、寒くて目が覚めたので、トイレに行って戻った時に、グランドオフトンでもう一度寝ようと思いましたが、マットがかなり冷たくなっていたので、ランドロックの前室で石油コンロ「タクード」を付けて、リビングシートとリビングマットの間に、電気カーペットを敷いて電気カーペットの暖かさをMAXにして、PENDLETONのブランケットカバーを被って二度寝しました。
スノーピークの石油コンロ「タクード」は、スノーピーク製のシェルター(ランドロック・リビングシェル)に限って、前室での使用をメーカーも容認しています。使用にはベンチレーション(通気口)の利用やこまめな換気が前提となりますので、十分に注意してください。なお、対応テントであっても、インナーテント内やシート、マット上での使用は一酸化炭素中毒や火事の恐れがありますので、絶対に使用しないでください。今回の使用には、ランドロックのベンチレーション(通気口)を2つとも使い、一酸化炭素チェッカーを2つ利用した状態で、石油コンロ「タクード」を使用しています。
グランドオフトン ダブル1600は氷点下でも快適か?
私が寒かったという感想を嫁さんが起きてきてから言ったら、やはり嫁さんも同じように足元から寒さがきたと言ってました。全てをスノーピーク純正の商品で揃えたにも関わらず、氷点下0.5度の底冷えには、勝てなかったようです。
またマットに関しては、シングルにはない割れ目が、ダブルにはあるため、朝方に試し寝をしてみたら、マットの真ん中の割れ目から、底冷えが伝わってきたのは感じました。そこに関しては嫁さんは何も言ってなかったので、おそらく寝てしまったら(体温で布団の中が温まったら)、気にならないのかもしれません。
ただ、嫁さんは両側に体温の高い5歳と3歳の娘たちが寝ており、娘たちがまさに湯たんぽ状態になっているため、間違いなくグランドオフトンシングルよりは快適で暖かったはずです。グランドオフトン ダブルは2人以上で寝れる布団なので、夫婦で使用される際は、グランドオフトンシングルを2つ利用されるより、ダブルを1つ利用される方が確実に暖かくなると思います。
またまだ身長も小さい子供たちは足元からの冷えもなく、夜もすぐにぐっすり眠りについてくれて、寒さで起きることもなく、朝まですやすやと寝ていました。
つまり足元からの冷えが快適さを邪魔しているようです。
足元が寒かった原因を探る
グランドオフトンの大人買いのブログでも書きましたが、グランドオフトンは敷布団にマットを使うことで、その分「セパレートシュラフシリーズ」より掛布団に羽毛の量を多くしています。そのため、確かに掛布団の上から寒いという感覚は私も嫁さんも全くありませんでした。つまり、足元や横からの冷気をどれだけシャットダウンできるかがカギとなります。
今回、メインテントはランドロック、グランドシートに、インナーテント、インナーマットと全てスノーピーク純正のランドロック専用品を使用しています。また私が寝たグランドオフトン シングル1000は、寝汗で臭くなる可能性があるという理由で、キャンピングマットシーツまでオプションで購入して付けています。
それでも足元からの底冷えがおさまらないということは、おそらく、掛布団に対して付属のマット(キャンピングマット2.5w)のサイズが小さすぎるからだと思います。
上記はグランドオフトン ダブル(写真左)とシングル(写真右)を並べているので、わかりにくいかもですが、それぞれを単体で考えた場合、付属のマットと掛布団をベルトで結んでいても、付属のマットが掛布団よりサイズが小さいため、足元や横のインナーマットの底(黄枠の部分)から来る冷気が、布団の中に循環してしまいます。
今回、私たち夫婦が横からの冷気に関して寒さを感じなかったのは、グランドオフトン シングルとダブルを並べて寝ていたからです。寝る時はこの付属のマット同士はくっつけていたため、通常、単体での使用であれば、両端から来る冷気が、今回並べていたことで片方だけとなり、横から来る冷気についてはある程度シャットダウンできていたと思います。しかし、足元からくる冷気に対しては寒さを感じて目覚めてしまったということです。
つまり、この足元や横からの冷気をシャットダウンすれば、グランドオフトンは氷点下でも快適な睡眠が出来ます。その解決方法を考えてみました。
グランドオフトン ダブル1600の解決方法
- キャンピングマットを単品でもうひとつ買う
- 底冷えを防ぐための他社製のシートやマットを底に敷く
- グランドオフトン付属のマットの下に、電気カーペットを置く
電気カーペットを言い出したら、どんな寝袋でも大丈夫かと思いますが、電源が確保できるオートサイトなどは少ないため、現実的にはキャンピングマットの追加購入を検討された方が早いかと思います。
グランドオフトン シングル1000の解決方法
- 湯たんぽを使う
- 底冷えを防ぐための他社製のシートやマットを底に敷く
- グランドオフトン付属のマットの下に、電気カーペットを置く
グランドオフトンシングルについては、もはや他力本願しか道はありません。あとは工夫して足元や横からの冷気をブランケットや、その他の方法で防ぐことができれば、氷点下でも快適な睡眠ができるかと思います。
セパレートシュラフシリーズは、グランドオフトンと違い、足元も横も封筒のようにすっぽりと身体を覆うタイプになります。今回の氷点下0.5度ぐらいの気温であれば、もしかしたら、セパレートシュラフシリーズの「セパレートオフトンワイド 1400」の方が暖かかったかもしれません。
「セパレートオフトンワイド 1400」はまた大人買いする機会があったらレビューします。
まとめ
グランドオフトンは、芋虫型のシュラフのように身体をすっぽり覆う寝袋ではありません。我が家のように子供が小さい家庭でファミリーキャンプをしようと思うと、芋虫型の一人用寝袋では子供が寝てくれないという不安があると思います。なので、そういうファミリーキャンパー向けにはグランドオフトンはもっとも優れた寝袋だと思います。
まとめチェックポイント
- グランドオフトンはスノーピークのランドロック専用品でレイヤーを整えても氷点下では寒くなる場合がある
- 付属マットが掛布団より小さい設計になっているため、横と足元から底冷えの冷気が布団内に循環する
- グランドオフトン ダブル1600はキャンピングマット2.5wを追加購入することで氷点下でも快適になる可能性がある
- グランドオフトン シングル1000は湯たんぽや他社製のマット、電気カーペットなどで底冷えを抑えるしかない
- 氷点下0.5度ぐらいなら、足元と横から冷気をシャットダウンできる「セパレートオフトンワイド 1400」の方が暖かもしれない
グランドオフトンがお得である理由のひとつ「付属のマットが付いてくる」ことが、結果的に寒くなるきっかけを作っているというのが、素人スノーピ―カーとして、なんとも悲しいと感じた今回の安全レビュー、いかがでしたでしょうか。
初回の完全レビューにしては、我ながら分かりやすく説明できたかなと思っていますので、今後もキャンプに関する内容を中心に様々な情報を共有していきますので、今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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