【完全メソッド】じゃじゃ馬「ペトロマックス hk500」の使用方法を取扱説明書より丁寧に書いてみた

数あるランタンの中から我が家のメインランタンとして選ばれた「ペトロマックス hk500 ブラス」前回の記事では事前準備の様子をお届けしましたが、今回、遂にキャンプサイトで華々しくデビューを飾りました。ランタンのじゃじゃ馬と呼ばれる「ペトロマックス hk500」の初点灯の様子を、使用方法と合わせてお伝えします。素人の誰がやっても炎上させることなく、無事に点灯できるよう事細かく説明していますので、ペトロマックス hk500のご購入を検討されている方はぜひ、最後まで読んでみてください。また素人キャンパーの私なりに調べた内容をまとめたものです。科学的、機能的な間違い等があれば、遠慮なくご指摘ください。すぐに修正対応をさせていただきます。

ペトロマックス hk500」を初めて使用する場合は必ず事前準備が必要です。事前準備の方法は以下の記事を参照してください。

メンテナンス方法は以下の記事を参照してください。

目次

圧力式灯油ランタン「ペトロマックス hk500」の仕組み

ペトロマックスhk500は200以上の部品で構成されており、その部品のどれかに不具合があると点灯しなかったり、点灯してもすぐに灯りが消えたり、最悪、炎上する可能性があります。そのため、定期的なメンテナンスをするにあたり、圧力式灯油ランタンの仕組みをまず理解することで、メンテナンスに役立ちますので、頭の片隅に入れておきましょう。

炎上すると言っても落ち着いて対処をすれば、ランタン本体が全焼になることはありませんので心配しないでください。

まず圧力式灯油ランタンとは、液体の灯油を気化させ空気と混合させることで、燃えやすいガスを作り出し、火のついたガス状の燃料がマントルに吹き溜め、マントルを発熱させて発光させる仕組みになっています。

詳しく説明すると、燃料タンクはポンピングすることで空気が圧縮され加圧されます。この圧力で液体灯油を上部のジェネレーターへ押し上げ、ジェネレータによって気化した灯油はホヤガラス内部で空気と混合させ、ガスを発生させています。この液体灯油を気化するためには、ジェネレータを十分に熱する必要があります。これがペトロマックス hk500を点灯させる前に必ず必要なプレヒート(予熱)という工程になります。

プレヒート(予熱)がうまくいくと、液体灯油が気化し、空気と混合してガス化します。そのガスに火がつくと、マントルに吹き溜めたガスと発熱によって、発光します。圧縮されたガス状の灯油は一気に膨張しながら空気と混ざりあい、バーナー下部のノズルから吹き出し、燃料タンク内の圧力がある限り、液体灯油は常に気化され続け、燃焼しながらマントルにぶつかり、光を発光し続けます。

これが圧力式灯油ランタン「ペトロマックス hk500」の仕組みです。これを少しでも理解していれば、今から説明する点灯までの工程がわかると思います。

点灯時に重要な各部の名称

ペトロマックスの点灯時に重要な各部品の名称です。これから点灯方法を説明するのにたくさん出てきますので覚えておいてください。

グリップホイール
予熱バーナーレバー
圧力調整スクリュー(左側の小さいネジ)と圧力計(燃料キャップ)
ポンプ

点灯する場所を確保する

ペトロマックス hk500は、点灯に失敗すれば炎上する可能性が高いです。そのため万が一、炎上してもテントや周りのギアに炎が燃え移らないよう、ペトロマックス hk500を点灯させるときは、半径2メートル以内にテントや物がない場所を見つけて、その場所で点灯させるようにしてください。

上記写真のようにテントとの距離が近いのは非常に危険です。

燃料を補給する

燃料の種類

ペトロマックスの燃料は灯油になります。ガソリンスタンドで売られている灯油でも問題ありませんが、煤が多く出たりメンテナンスが大変になったりすので、私はペトロマックスの日本総代理店であるスター商事さんが出しているスターケロシンという高純度白灯油を購入して使用しています。

フュアハンドやデイツなどのハリケーンランタンなどによく使われる、ろうそくのロウが原料のパラフィンオイルは、ペトロマックス hk500では使用しないよう勧告されていますので、注意してください。

燃料キャップを開ける

圧力計が燃料キャップになっていますので、反時計回りに回して、燃料キャップを開けます。

漏斗(じょうろ)をセットする

ペトロマックス hk500に付属している漏斗(じょうろ)を燃料口にセットします。このとき漏斗(じょうろ)がなるべく水平になるようにセットしてください。

燃料を入れる

今回は通常の灯油ではなく、スターケロシンを使用したので、スターケロシンの給油口に専用のキャップを付けて補給します。燃料の量は700mlを目安に入れるようにします。燃料タンクの最大容量が1000ml(1ℓ)で、燃料が満タンになると危険ですし、少なすぎるとポンピングの回数が増えたり、発光が不安定になったりします。中が見えないのでガソリンスタンドの灯油などを使用される場合は、燃料ボトルなどを用意するといいかもしれません。

各部の締め付けを確認する

一見、地味な作業ですがこの工程が炎上するかしないか、スムーズに点灯できるかどうかを左右する大事な項目になります。そのため、この項は必ず飛ばさないよう、ひとつずつ確認するようにしましょう。

取っ手のスクリューの締め付けを確認する

ペトロマックスhk500の取っ手をつけている両側のスクリューが、きちんと締め付けられているか確認します。時計周りにネジを回して、緩まないようにしっかりと締め付けを行ってください。ランタンフックなどにかけている状態から、ここの締め込みが甘くてランタンが落ちたりすると大変な惨事になりますので、必ず点灯前にチェックするようにしましょう。

両側のスクリュー(ネジ)がしっかり締まっているか確認

圧力調整スクリューの締め付けを確認する

圧力計(燃料キャップ)に小さいネジがついています。これが圧力調整スクリューになります。ここのスクリューが緩んでいるとポンピングをどれだけ頑張っても加圧がかからないので、ここのスクリューがきちんと締まっているか確認するようにしましょう。

予熱バーナーのレバーが閉じている事を確認する

予熱バーナーが開いているとそこから圧が逃げてしまいますので、予熱バーナーのレバーが閉じていることを確認してください。

上記の写真はレバーが閉じた状態です。

グリップホイールの矢印を上向きにする

ポンピングの前に、グリップホイールの矢印を上向きにします。下の写真のようになっている状態が正解です。

グリップホイールを上向きにします

未使用時や移動時などは、クリーニングニードルの針が曲がったり折れたりすることを防ぐために、グリップホイールの矢印の向きを下にするように前回の記事に書いていたと思います。逆に点灯作業を行う前は、ポンピングで燃料タンク内を加圧した時に、気化した燃料が勝手に出ないよう、ポンピングの前にグリップホイールの矢印の向きを上にします。

ポンピング

燃料タンク内に圧力をかけるためにポンピング作業を行う必要があります。これがペトロマックス hk500を点灯させるための儀式のようなものです。

圧力ポンプのロックを外す

圧力ポンプがペトロマックス hk500の本体にくっついている状態(ロックがかかっている)になってますので、半回転ほど青色のネジを回してロックを外すとポンプが伸びてきます。

圧力ポンプのロックがかかっている状態
圧力ポンプのロックが解除された状態

ポンピングを行う

圧力計を目の前の中心に持ってきた状態で、圧力計の針を見ながらポンピングを行います。

ここでは圧力計が逆さになっていますが、1番閉めた状態だと90度ぐらいの直角なってしまいます。1番締めてから少し水平位置に戻すぐらいで大丈夫です。

ポンピングの動作

以下のポンピング動作を繰り返し行ってください。

写真のように指でせずに、親指の腹に青色の部分を押し当ててポンピングを行うと少しは楽にできるようです。

圧力計の針が赤い部分にくるまで繰り返しポンピングを行ってください

圧力がまだまだ足りない状態
圧力計が赤い針まで届き準備完了の状態

緊急消化の手順

「マントルのから焼き」に入る前に、もし万が一、今後の手順でペトロマックス hk500が炎上した場合の消化手順を記載します。燃料口にキャップの役割をしている圧力計があります。その圧力計の右側に小さいネジの圧力調整スクリューがあります。

このネジを反時計回り(左回り)に回すと、燃料タンク内の圧力が減圧され、炎上しても勝手に火が消えます。万が一、今後の手順で炎上した場合は、このネジを左に回すと覚えておいてください。

マントルのから焼き

ポンピング作業が終了したら次は「マントルのから焼き」です。マントルは合成繊維で出来ておりペトロマックス hk500はマントルにガス状の燃料を吹き溜め、発熱させて発光させます。そのため「マントルのから焼き」は新品のマントルの余分な繊維などを焼き灰化させ、純粋な発行物質するために必要な作業になります。

から焼き前の新品のマントル

ペトロマックス hk500でのプレヒートには、予熱バーナーを使用してプレヒート(予熱)を行う場合と、アルコールで予熱を行い、そのまま点火する方法と二つあります。「マントルのから焼き」は、新品のマントルでかつ、予熱バーナーを使用してプレヒートを行う場合にのみ必要な作業になります。

この次の手順のプレヒート(予熱)で予熱バーナーではなく、アルコールでの点火を行う場合は新品のマントルであっても「から焼き」は不要です。

一度使用して灰化させたマントルは破けたり、落ちたりしない限り、何度でも使用できます。そのため、2回目以降にそのままマントルを使用する場合、から焼きの作業は不要です。

今回は予熱バーナーでプレヒートを行いますので、「マントルのから焼き」の手順を案内します。アルコールでの点火方法はまた改めて記事にします。

予熱バーナーが安定しなかったり、プレヒート時(予熱)のポンピングの体力がなかったりした場合にはアルコール点火が有効です。

予熱バーナーに点火する

予熱バーナーのレバーを手前に引き倒すと、圧力のかかった燃料タンクから霧状の燃料が「シュシュッシュシュシュー」と音を立てて吹き出します。そこにチャッカマンやライターなどで点火します。

一気に燃料が噴き出すので、慌てずにしっかりと点火しましょう。

マントルを焼く

予熱バーナーに点火すると「ゴォオォォォォォォッッッッ」という激しい音と共に、マントルに勢いよく火が燃え移り、マントル自体が燃え始めます。

頃合いをみて予熱バーナーのレバーを戻して(燃料が放出する穴を塞いで)火を止めます。

マントルに火が移ったからといって早めに予熱バーナーのレバーを元に戻して火を止めてしまうと「マントルのから焼き」に時間を要する場合があります。そのため、マントルに火が燃え移っても7秒から10秒ほどは予熱バーナーの火は出したままにします。

マントル全体に火が行き渡ったら、自然と火が消えます。そしたら、から焼きの完了です。

から焼きで減圧した分、ポンピングする

アルコールでの点火では不要ですが、予熱バーナーで「マントルのから焼き」をした場合、少なからず燃料タンク内の圧力が低下しています。次にプレヒート(予熱)の工程に移りますが、圧力計をチェックし、赤い針を下回っていたら、赤い印のところに針が来るように、あらためてポンピング作業を行ってください。

プレヒート(予熱)を行う

今回は前述した通り、ペトロマックス hk500本体に付いている予熱バーナーで、プレヒート(予熱)を行います。ペトロマックス hk500を点灯させるのも、炎上させるのも、このプレヒートにほとんど掛かっていると言っても過言ではありません。しっかりと手順に従って、プレヒートを行ってください。

予熱バーナーに点火する

プレヒートは時間が大事なので、スマホか何かのストップウォッチ機能を使って時間を図る準備をしてください。そして、マントルのから焼きの手順と同じように、予熱バーナーのレバーを手間に引きます。「シュシュッシュシュシュー」と音を立てて、霧状の燃料が下から吹き出しますので、チャッカマンやライターなどで慌てず、しっかりと火をつけます。

レバーの下から霧状の燃料が噴き出します
予熱バーナーから炎が噴射されます

火をつけた後に、ストップウォッチをONにして、プレヒートの時間を測りましょう

から焼きしたマントルは上記の右の写真ように綺麗な丸型になります。握ったりするとすぐに潰れるぐらい脆いので一度から焼きしたマントルを続けて使用したい場合は注意してください。

予熱バーナーに点火すると、から焼きの時と同じように「ゴォオォォォォォォッッッッ」という音を立てて炎がホヤガラス内のジェネレーターを熱します。上のヘッドカバーの空洞から炎が見え隠れします。音が大きいので長い時間、プレヒートを行ってても大丈夫か心配になると思いますが心配は入りません。このまま我慢して90秒以上時間が過ぎるのを待ちます。

ヘッドカバーの隙間から炎が見えます
プレヒート中

もし、この時に炎上したら、焦らずに落ち着いて、圧力調整スクリューを反時計回り(左回り)に回し減圧してください。燃料タンクを減圧すれば自然と火は消えます。

予熱バーナーでプレヒート中はポンピングを行う

予熱バーナーでプレヒート中は、ぼーっと炎を見ててはいけません。予熱バーナーを使うということは、燃料タンクの圧力で、霧状の燃料を大量に放出しますので、燃料タンク内の圧力も、ものすごい勢いで減圧していきます。燃料タンク内の圧力がなくなると燃料の放出が止まりますので、圧力計の針を確認しながら、メモリが1を下回わらないよう、適度にポンピング作業を行ってください。

1のメモリを下回るかがポイント
ポンピング作業を行う
赤い針まで加圧する

プレヒートは最低90秒、冬は120秒以上行う

プレヒート(予熱)が足りないと燃料が気化できずにペトロマックス hk500が炎上することになります。そのため、プレヒートに関しては必ず、90秒以上は行うようにしましょう。

いよいよ点灯

プレヒート(予熱)が最低90秒以上終わったら、ついに点灯作業にはいります。

グリップホイールの矢印を下向きにする

グリップホイールの矢印が、現在上向きになっていると思いますが、予熱バーナーから炎が出た状態のまま、グリップホイールを半回転(どちらに回してもよい)回して、矢印を下向きに持ってきます

この時、勢いよく回してしまうと、マントルが破ける可能性があるので、出来るだけゆっくりグリップホイールを回転させてください。

グリップホイールの矢印を上から下に向ける
矢印を下に向けると「ヒュルルルル」という音が。

感動の点灯

「ヒュルルルルルー」という独特の音と、光が何度か点滅したり、明暗を繰り返しながら、ついに回りのサイトまで明るく照らす「ペトロマックス hk500」がようやく点灯しました。

正直、点灯するまで手間もかかった分、かなり感動しました。そうですね、サーフィンで初めて波に乗る感覚を知った時ぐらいの感動でした。何度もパシャパシャと写真を撮ったり、離れて眺めてみたり、ランタンフックにかけてみたり、。

ママ

ちょっと何これ?明るすぎて眩しいんだけど

UKパパ

これが噂のペトロマックス hk500だよ

UKパパ

男のロマン

ママ

……. とりあえず私の視界には眩しいから置かないでね

UKパパ

………………….

嫁さんも眩し過ぎると言うほどの明るさ。初キャンプの時、デイツのハリケーンランタン(約8w相当)の明かりで外を照らしていた頃が懐かしい(笑)。二回目のキャンプで我が家の照明はここまで進化しました。

それでは感動のフィナーレ!!と言いたい所ですが、ペトロマックス hk500は点灯したら終わりではありません。点灯したからといって、ランタンから離れるといつの間にか、消えてしまいます。実は私も一回やらかしてます(笑)点灯後の工程を次の項から説明していきます。

点灯後に即作業が必要

ペトロマックス hk500の点灯に成功したとしても、そのままウカウカとはしてられません。点灯後にすぐ必要な作業について説明します。

予熱バーナーのレバーを閉める

予熱バーナーでペトロマックス hk500をプレヒートを行なった場合、予熱バーナーからの火は噴き出したままの状態です。グリップホイールを下向きに回して、無事にマントルを発光させたら、まず予熱バーナーのレバーを閉めます。予熱バーナーを閉めることで、燃料タンクの急速な減圧が止まります。

予熱バーナーでプレヒート→点灯→予熱バーナーを閉める」とワンセットで覚えておきましょう。

予熱バーナーのレバーがしまっった状態

そのまま予熱バーナーを閉めなければ、ものすごい勢いで燃料タンクの圧力がさがっていき、数分で燃料を送れなくなり、火は自然に消えていきます。(これ私が一回やってしまった過ちです。初点灯で感動しすぎて写真ばかり撮ってましたので)

圧力を安定させるためにポンピングを行う

これは圧力式のガソリンランタンや、ストーブにも言えることですが、点火、点灯後というのはかなりの圧力を放出するので、急速に減圧します。ペトロマックス hk500を予熱バーナーで点灯させた場合は、なおさらです。点灯後すぐに光が明るくなったり暗くなったりすることがあります。それは圧力が安定していない場合に起きる現象です。点灯後は圧力計を確認し圧力計の針が赤い印まで来るようにポンピング作業を行いましょう

圧力計をチェックし必要なら加圧する

無事に点灯したあと、予熱バーナーのレバーを閉め、ポンピング作業で圧力を安定させたら、ランタンフックなどにかけるなどして、ペトロマックスの明るい世界をお楽しみください。しかし、オイルランタンやガスランタンは燃料が切れるまでほったらかしにしてても大丈夫ですが、圧力式灯油ランタンであるペトロマックス hk500は、点灯後もたまに顔色を伺わないと、消えてしまいます。回りの気温や燃料の種類などにもよるかと思いますが、1時間から2時間に一回ほど、圧力計を確認し、1メモリ以上を保つよう、適時、ポンピング作業を行い、加圧してください

いかがでしたでしょうか。二回に分けて記事を書きましたが、活字で読むとかなり大変そうと思われるかもしれません。一連の流れを私は三回ほど行いましたが、慣れてみるとそこまで難しいことはありません。手順をしっかり踏んで、そしてメンテナンスを怠らなければ、炎上することなく、きちんと点灯してくれます。

次の記事では、ペトロマックスのカスタムについて、そして、メンテナンス方法の一部についてまた書いていきたいと思います。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。ページのフッター(最後の方)に、ブログランキングのバナーを貼ってます。応援していただける方はクリックだけしていただけると励みになります。よろしくお願いいたします。

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